皆さん、こんにちは。弁護士の矢田です。

この度、おかげさまで大宮支店を開所することができました。
これにより、今まで埼玉方面から来訪されていた方の負担も、随分軽くなるのではないでしょうか。今後は大宮支店をどんどんご活用頂ければ幸いです。

さて、最初のブログとして何を書くか迷ったのですが、特に話題が豊富な人間というわけではないので、ありきたりですが、仕事のことについて書こうと思います。

1 「おまとめローン」よりも!?
法律相談をしていると、借り入れを「おまとめ」している相談者の方が、チラホラいらっしゃいます。もちろん、低金利で業者もまとめられるので、返済するうえで負担が軽くなり便利なように感じるかもしれません。
しかし、「おまとめ」によって債務から解放されたという話はあまり聞きませんし、「おまとめ」はあくまで借金ですから必ず利息が付きます。これに対し、任意整理であれば将来の利息は通常カットできますので、利率の高い借入であれば、ほぼ確実に借金は減額できます。
もちろん任意整理を選択すると、いわゆるブラックリストに載ってしまい、借り入れやクレジットカードの利用が制限されますが、借金生活から抜け出すにはむしろ好ましい制限といえるかもしれません。
「おまとめ」を選択された方が、結局、債務を返済し切れなくなって、相談に来られるケースは多く、その際によく聞かれるのが、「もっと早く相談に来れば良かった」とか、「『おまとめ』ではなく『任意整理』をすべきだったんですね」という言葉です。そのような事態とならないよう、最初から積極的に任意整理を検討されることをオススメします。
 2 「自己破産」は悪?
また、来訪されたお客様に債務整理の希望をうかがうと、「自己破産だけはなんとしても避けたい」とか、「自己破産しなければいけないのでしたら、債務整理はしません。今のまま支払を続けます。」などとおっしゃる方がいらっしゃいます。
しかし、このような言葉を聞くにつけ、相談者の皆さんは、「自己破産」というものを悪く考えすぎているのではないかと思うことがあります。自己破産によって現在仕事で使用している資格が使用できなくなってしまい失業してしまうとか、住宅をとられてしまい住む所がなくなる、等の理由がある方であれば、自己破産を躊躇されることは十分に理解できます。
しかし、相談者の中には、「借りたものは返すのが当たり前だから」という暗黙のルールに固執するあまり、現在の収入ではとても借金返済が進まないにもにもかかわらず、「借金をチャラにしてしまう自己破産はしたくない」「借金は返していきたい」という理由だけで自己破産を選択することを躊躇される方が少なからずいらっしゃることも事実です。
「借りたものは返す」という発想自体は間違っていないと思いますが、それは自分自身や家族の人生を犠牲にしてまで守るべきルールなのでしょうか?お子様がいらっしゃる方であれば、将来かかってくるお子様の進学のための学費(教育費)と、困っているときにお金を貸してくれた業者に対して抱く「借りたものは返さねばならない」という義理(法的義務でもありますが)とどちらを重視しますか?という問題でもあります。
確かに、「借りたお金は返す」のが当然であり、それは法的な義務でもあります。しかし、「自己破産」という制度も、法律が認めた確固たる制度なのです。つまり、「借りたものは返す」のが原則だけれども、お金がなくなってしまった人、利息が払えなくなってしまった人は、無理をして返さなくてもよいですよ、と法律自体がその原則を曲げて救いの手を差し伸べてくれている、それが「自己破産」制度なのです。このように、せっかく法律が認めてくれた「自己破産」制度を利用することに躊躇する必要は全くありません。
このような理由から、多くの相談者の皆さんが「自己破産」をすすめたことに対し躊躇する態度を示されたときも、私はしつこく「自己破産」をオススメすることがあります。それは上記のような理由からなのです。
ですから、私から「自己破産」をすすめられても、どうか「自己破産は絶対ヤダ」とは言わないで下さい。